さて、この本は新しく開発組織に参加するソフトウェアエンジニアを主な対象読者として作成されました。 開発組織で最高のパフォーマンスが発揮できるようになるまでには、組織構造、アーキテクチャ、要素技術、リリース戦略、コミュニケーションチャネルと多岐に渡る知識が必要となります。それらの知識は少なからず組織のコンテキストと結びついていて、独自に獲得することは難しい性質のものです。また、時を重ねるにつれて、言語化されてない知識や、属人的に口伝で一部のみに共有されている知識が増え、組織全体での共有が難しくなる傾向にあります。本書にはそのような知識の中でも特に初期に知るべき内容を集約しています。この本が開発面でオンボーディングの道標となり、いち早く良い仕事をできるようになる一助となることを狙っています。また、本書の作成プロセスを通じて、知識の言語化および非属人化を進めることも目指しています。